Voice12: A Boy and His ambitionーオヴァトン少年と私と9000円 (Nozomi)

【仲良しの生徒がいない…】

マラウィに来て3か月が経ちました。
恐ろしく時間が経つのが早いなぁと感じております。
マラリアにかかったり(誰だよ、マラリアピルのんでたら大丈夫って言ってたやつ)、風邪ひいたり。(誰だよ、アフリカ暑いって言ったやつ…)

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なぜか貼るカイロを2個、携帯していたのですが、それを開ける日も近いと思います。

さて先日、1週間近くのイースター休暇を終え、私の赴任先のカレッジは第二ターム始まりました。

見渡すと私の受け持つグループの生徒、オヴァトンが見当たりません。

うちの生徒は私に対してFriendlyとRudenessをはき違えている子(※)が多い中、彼は他の生徒に比べて礼儀正しく、グループでもムードメーカー的な存在です。

※私自身、あまり、礼儀とかは気にしていないのですが、結構インストラクター(一応スタッフ)に対して目に余る態度だったりすると先生の方から注意が行きます。
マラウィの文化で先生は敬わなければいけないらしいです。距離が近い方が色々と生徒の事情だったり、先生と生徒のスキャンダルだったり(笑)、情報が回ってきやすいです。なので、私にも彼らにとっても都合がいいので先生らしくならないようにはしています。

彼と仲良しのジョナサンに彼のことを聞くと、学費を払えないため、家で待機をしているとのことでした。

【9000円の重み】

私はすぐさま、彼に電話をしました。
彼に事情を聴くと、父親が入院してしまい、学費分のお金を病院代に充てないといけないとのことでした。

私たちの学校の学費は1学期65000MKW。日本円で約9300円。

合計3学期と保険料なども合わせると日本円で1年間で、約30000円。

公立や他の私立はもっと高いです。

9000円

このお金の重みの違いを痛い程痛感しました。
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多分、日本にいる同世代は、飲み会の一次会から三次会まで各会3000円だとすると一夜にして遊びに使う金額なのではないでしょうか。

「この学校で勉強を続けたい?」

私は彼に尋ねました。

私の学校はお世辞にも整っているとは言えません。

学校の方針として、教授クラスの先生たちは学校運営に携わることができず、学校として正直のところ、しっかりとは機能していません。
(運営側の先生たちとのミーティングは口ばっかりで行動に移さず、教授陣からよく、指摘を受けています。)

他の教授の様に彼が他の大学を望むのなら金銭面や情報提供のサポートをしようと考えていました。

彼は優秀で人としても申し分ないと私は思っているからです。

「もちろん、自分には他に選択肢がないんだ。」

それが彼の答えでした。

彼が昔通っていた大学は一学期280000MKW、日本円で約40000円です。
1年で約12万円、3年で約36万円。

うちの大学と違って、生活費などは別途になり、更にお金がかかります。
平均年収3万円ほどの国で、大学まで教育を受ける事は本当に難しいことです。

彼がうちのカレッジに来たのは金銭的理由だったからです。

彼がうちのカレッジに来た理由を知っているのに対し、突きつけた質問は本当に思慮に欠けた質問だったと反省しています。

【彼の学費を払う事を決意】

彼の学費を払った後、仲良しの先生にとても心配されました。
生徒の中には外部から支援を受けている生徒は結構います。
返金させるべきだと私に対して言ってきた先生も多かったです。

理由はそういったサポートに味をしめて、要求がエスカレートしたり、家庭の経済的理由で結局辞めてしまったりするケースもあるからという事です。

心配は本当にありがたかったのですが、彼の人間性や、バックグラウンドを先生たちはどこまで知っているのか疑問に思いました。

正直、私の給料なんだからほっといてって思いました(笑)

このお金はサポートや援助なんかじゃないと私は思っているからです。

私は彼が書くポエムのファンです。
(彼以外にもいいポエムを書く生徒たちがうちの学年には何人かいます。
ポエムページ作っています)

彼が学校を辞めたらポエムを読むことができなくなってしまいます。

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コーラスクラブで彼は生き生きと歌います。
彼が学校を辞めたら男性コーラスが一人かけてしまいます。

頭の回転が速く、よくディスカッションをする生徒の一人です。
彼が学校を辞めたら、張り合いがなくなってしまいます…

日本の英語の教科書にA Boy and His windmill(日本語訳のサイトです)マラウィのウィリアム少年のお話が載っています。
彼はそのウィリアム少年の親戚です。
(ビデオレター撮影時に発覚。世界が狭いのか、私が持っているのか。)

そんな日本の子どもたちとも関係しているご縁をみすみす手放すわけにはいきません。

そして何より、学ぶことの面白さ、教育の大切さを彼は私たちなんかより知っています。

それは言葉ではなく、彼の学習態度から滲み出ています。

【彼と協働したい】

今回のことを「投資」という表現を使って、彼に伝えました。
また、学校をやめるという最悪のケースを避けるためにも、きちんと約束事を行いました。

最低限の約束事
-どの授業も必ず受ける(問題なし。いつも真面目に受けている子)
-体は大事にすること。少しでも具合が悪いと感じたら病院に行くこと
-金銭面で困ったら相談すること。
-子どもは作らない。必ず避妊すること。

彼はしっかり理解してくれていると信じています。

上でも述べていますが、彼はとても良い詩を書きます。
先月から始めているプロジェクトのひとつVoice to the world(英語)にも彼の詩を掲載予定です。

少しでも「おっ」と思った方はいいねやシェアをしていただけると嬉しいです。
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彼が挑戦したいと思ってくれれば、他のプロジェクトでの、学生リーダーも任せようと思っています。

また、近況はVoice内の記事にてアップデートします。

【最後に】

お金の工面ができなければドロップアウトしてしまう生徒たちが多いのがマラウィです。
うちのカレッジの傾向としては、男の子の方がドロップアウトしていく傾向が多いです。

理由はここには書けませんが容易に理由が想像できると思います。

大学全入時代と呼ばれる私たちの国、日本。
ランクはあれど、学ぶ環境はとても整っていると思います。

日本の大学生には使えるものは使い倒してほしいと感じます。
教授、学校の制度、図書館、パソコン室などなど

世界は不平等。
不平等なのが世界。

飲み会などに明け暮れ、学校に行かなくなるのであれば、できる事ならうちの学ぶ意欲のある生達と変わってあげてほしい。
心の底から、そう思ってしまいますし、私の大学1,2年生の頃の学習態度がとても恥ずかしいと彼らと話しているとつくづく感じます。

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